筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)で辛い日々…でも社会復帰したい!

20年以上にわたり筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群と闘いながら考えたことを整理しています。時折ひとりごと…

Racism

アメリミシガン州にて)

渡米前、「アメリカでは宗教、人種、政治の話は避けるように」とアドバイスされました。ところが実際は、現地のアメリカ人が自らそれらの話をするケースが非常に多いです。今年が大統領選の年ということもあるのでしょうが、嬉々として政治について語ります。また人種についても、特に黒人の方が自ら語り始めることがとても多いように感じます。

 

私の住んでいるミシガン州全体は白人の人の割合が多く、ラストベルトと呼ばれる「工業衰退地域」と呼ばれます。大統領選において共和党民主党の票が拮抗する州です。

その中においてアナーバーはいい意味でも「異質」であり、かなり多国籍の人が集っています。市の8割がミシガン大学関係者といわれるようにミシガン大学の存在が大きいのでしょう。実は「アメリカ人が住みたい街」全米No.1に選ばれたこともある街です。

 

そういった「アナーバーの異質性」に起因する事象である可能性はあるものの、「人種や政治の話を積極的、かつ平和的にする」人の多さに驚きました。

 

「平和的」といってももちろん差別や政治に憤慨している人も多く、例えばコミュニティカレッジの黒人の先生は、「白人は、『アジア人とアフリカ人はアナーバーの北に住め、アナーバー南は白人の街だ』といいやがる」と憤っていました。「Racism だ!」と。いわゆる授業で面と向かってracism の話をすることに驚きました。「暗黙の差別」よりは声に出せるようになった分、歴史的には少しでも進んでいるということかもしれません。

 

またLyft の黒人の運転手さんは、「日本人は黒人というだけで怖がる。でもそれは会ったことがないから。実際に人と人として対面して、話をすればその偏見は小さくなる。『本人の経験が大事』」といっていました。心から同意するとともに、おそらく今までいくつもの偏見に苦しむ経験をされてきたであろうことを想像すると、その懐の深さに感謝、尊敬の念を抱かずにはいられません。

 

なお、白人の人のことはWhite、黒人の人のことはBlack と呼んでいい、呼ぶのがいい、そうです。その他の人種はAsian や Hispanic、Latin など。黒人の人たちはBlack よりもっとひどい差別用語で歴史的に呼ばれてきており、それらと比較するとBlack は差別のニュアンスがないニュートラルな表現だそうです。一方、日本人を含むアジア人を色で呼ぶのは差別用語として使用されてきたので今ではNGとのこと。その結果、一部の人種は色で呼んでOK、一部はNGという状態になったようです。

人種が差別の源になった悲しい歴史があるために適切な英語は何なのか迷っていましたが、思い切って聞いてみて良かったです。これはコミュニティカレッジの先生に聞いた話でしたが、彼女に「基本的にはこんな感じだけれど、最終的には人によるので、本人にどう呼ばれたいかを聞くのが一番」といわれたのも印象的でした。こういったことを尋ねること自体が失礼なのではと尻込みしていたのですが、それよりも思い切って聞いて相手の嫌な表現を避けることこそが相手を思いやるコミュニケーションなんだなと勉強になりました。