筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)で辛い日々…でも社会復帰したい!

20年以上にわたり筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群と闘いながら考えたことを整理しています。時折ひとりごと…

コロナと政治・宗教

アメリミシガン州にて)

ミシガン州アメリカで人口が8位の州ですが、コロナウィルス感染者数では3位や4位を行ったり来たりしています。4月18日午後3時時点で感染者数は3万人を超え、死亡者数も2千人を超えています。

ミシガン州知事が実施した社会的距離政策は全米で最も厳しい水準で、通院や食料買い出し以外は自宅にとどまるよう指示されています。健康を維持するための散歩までは禁止されていませんが、2世帯以上の集まりも禁止です。

それほど厳しい措置でも感染者数が多い、と考えるか、あるいは感染者数が多いために厳しい措置が必要になったと考えるかについては正解がありませんが、このところ感じるのは、コロナに対する戦いが若干政治色を帯び始めたなということです。4月15日、数千人の共和党支持者が車で議会周辺に集結、民主党である知事の隔離を求めてデモを行いました。しかもトランプ大統領はこれらのデモを支持するようなコメントをTwitterに載せました。

私は共和党支持者でも民主党支持者でもありませんが、「ウィルスに対する知事の政策を批判する」というスタンスならフェアだと思うのです。実際、当初のデモの主張は「仕事がなくなると今日明日の家賃や食費に困るのに自宅待機命令なんて受け入れられない」というものでした。しかし徐々に、「民主党員である知事のいうことは聞けない」という姿勢が強くなってきているように感じます。

アナーバーのダウンタウン近辺は9割以上民主党支持者だということで、基本的には非トランプの意見しか耳にしませんし、今回の共和党員によるデモに関しても「そんなことを今やって感染が一層広がったらどうするんだ」という意見が多いです。しかしこれもまた、ミシガン州という一つの州のできごとではありながら「分断されたアメリカ」の縮図を見ているように感じます。

 

今回のコロナウィルスパンデミックでは病床や医療機器が不足しているということで緊急でない手術が延期されている地域も多いですが、「中絶」が「緊急でない手術」に含まれるか否かを巡っても共和党VS民主党の戦いが繰り広げられています。こちらは共和党VS民主党という政治色に加え、更に宗教色も加わり複雑なことになっています。元々アメリカでは政治と宗教は密接なかかわりがあるために当然の成り行きともいえます。

 

共和党員のデモにしろ中絶手術の問題にしろ、日本では「対ウィルスの戦い」が政治的対立や宗教的対立にそこまでは直結しないので、非常にアメリカ的だと感じました。おそらくアメリカに限らず、日本以外の多くの国では多かれ少なかれアメリカに近いことが起きるのだとは思います。日本人は政治に関心が少ないともいわれますし、宗教に関しても「なんとなく神様の存在は信じているけれどもまあそんなにこだわりはない…」という人も多いと思います(もちろん違う人もたくさんいらっしゃいます)が、宗教が自分の存在と切っても切れない関係にある人たちにとっては、どんな問題であってもすぐに政治や宗教と結びつき、その対立が表面化するのは当然なのかもしれません。私などは「今は政治や宗教はおいておいて、まずは対コロナで一致しましょうよ」と思ってしまいますが、それは私が政治や宗教に関して「譲れないもの」を持っていないからかもしれない、などと考えました。

 

人類が生きていくために生み出された政治や宗教によってむしろ人類が分断されるのは、世の常とはいえ皮肉で残念なことです。